2008/8/29

Xデーまで粘る男


みなさんおはこんばんちわ。
コラム界のコードブルー、ワタルです。
特技は、めざましテレビの占いで1位になった直後に、とくダネの血液型選手権で最下位になることです。
よろしくお願いします。
 
えー、前回の駄文の終わりに
「次回、ボクの生活スタイルを劇的に変化させる新たな展開が巻き起こる」
って書いたまま、もったいつけるように1ヶ月間ほったらかしていたため、
非常に多くの方々(約2名)から
「早く書けやボケ!」
的な大変ありがたい祝福のお言葉を頂戴いたしました。
どうもありがとうございません。
 
つきましては、過剰に期待を持たせるような引っ張り方を回避するべく
今回は男らしくいきなり結論から書いちゃおうと思っております。
自分、不器用ですから……(半ベソで)
 
 
ってことで、前回登場した松下さん(仮名)との出会いの後に訪れた
ボクの生活スタイルを劇的に変化させる新たな展開とは一体何なのかと申しますと……
 

あのぅ、心の準備はいいですか?
あなたにだけこっそり教えますよ?

ここで聞いたことは絶対に誰にも言っちゃダメじゃないですけど別にそれでもいいですか?
ええ、それでいいと思います。
あー、よかった。


 

実はですね……
 

 
 
 
それは……
 
 

 


 

 
というワケで、ここからは
今まであまりネタにしてこなかったこの会社について書いていこうと思います。
大人の事情でズバリ書けませんが、こうしてネタに出来る日を心待ちにしておりました。
 
 
>>>
 
 

今からちょうど1年前の8月。
日本ウルルン信長の野望電鉄とかいうワケのわからない旅から帰ってきたボクは
涼しい環境と生活費を確保するべく、新宿にある某ITベンチャーになんとなく就職しました。

ホントは旅のゴールを目指す旅費を稼ぐために3ヶ月くらい働いてすぐに辞めようと思ってたんですけど
入社したらそれまで見えなかった様々なヤバイ部分が次々と目に付くようになり
「……え? それ、面接で言ってたことと話が全然違くね? ひょっとして騙されちゃった系?」
と思うと同時に、ビジネスモデルが完全に崩壊してとんでもないことになってることに気付いて
「うーん、でも、この会社がこれからどんな感じでダメになって行くのか興味あるなぁ」
と思うようになりました。

入社1ヶ月で、1〜2年以内に倒産することを確信。
それを察知して次々と辞めていく社員たち。
病気で例えるなら、手の施しようのない末期がん状態です。
どんな名医が来てもこの会社を治療することはできなかったでしょう。

利益など出るはずもない無謀な事業計画に加えて、
ほとんど仕事をしないまま「はぐれメタル」のように倒産前に会社から逃げ出したプロデューサー。
そして、全てのあらゆる問題からことごとく目をそむけ、それをまるで他人事のようにスルーして
能天気に夢だけを語って喜んでいる幸せそうな謎の社長さん。
つまり、ビジネスが成功する要素が何ひとつありませんでした。(それはそれで逆に凄いけど)

では、なぜこんなダメ会社が今まで経営状態を維持できたのか。
それは、荒唐無稽な事業計画書と巧みなプレゼンに騙されて思わず大金を投じてしまった
もの好きなVC(ベンチャーキャピタル)があったからです。

こんないい加減で適当な会社に1億も2億も出すんですから、東京のVCは凄いなぁって思いました。
ボクの地元の新潟じゃあ絶対に考えられません。
しかも株主になるという形でその額を投資するワケですから、基本的に返済義務はありません。
つまり簡単に言うと、1億円もらって事業で失敗してもそのお金は返さなくていいってことです。
さらに役員たちはその金額の中から高い役員報酬を抜き取ってきたんですから幸せだったことでしょう。
(結局最後まで利益どころか売上自体もほとんどなかったのに)
 
経営陣には大変失礼ですが、ボクから見たこの会社の1年間は、
宝くじに当たった社長がそのお金で多くの社員を雇い、湯水のように広告費を使い、
お金がなくなるまで好きに遊んでいたようにしか見えませんでした。
その中でも、最近売れてきた某アーティストとタイアップするとか言い出した時は
「ぉぃぉぃ、それは一体何の意味があるんだ? 誰か止めろよ……」 ('・c_・` )
と、その奇抜なアイデアに二の句が継げませんでした。
まぁボクもずっと遊んでたみたいなモノなので偉そうなことは言えませんけど。 (ノ∀`) テヘ
 
 
ちなみに入社3ヶ月目のある日。
もともと辞めようかなーと思っていたこの時期に、
今は経営コンサルタントをしている前の職場のボス(最近ネタにしてないけど元気に生きてます)から
「久しぶりに飲みに行こうぜー」
とのお誘いがあり、そこでこんな会話をしていました。
(※以下、ボス=Aさん)
 
 
「ワタル、新しい会社はどうだ? 仕事は楽しいか?」
「うーん、仕事は楽しいですけど、会社自体がヤバイです」
「ヤバイって、潰れそうなのか?」
「たぶん資本金を食い潰したらそのまま倒産すると思います」
「へー、そんなにヒドイのか」
「再生不能の末期がん。仮にAさんがウチの会社に来て立て直そうと思ってもたぶん無理です」
「おー、それは興味あるなぁ。オレそういうの大好きだもん」
「ちなみに、もし会社を存続させる可能性があるとすれば……」
「何かあるのか?」
「今やってる事業を全部捨てて、全く違う事業を新たに立ち上げる以外にないと思います」
「現状を全否定ってことか。でもそれはVCが許さないだろうな」
「でしょうね。それどころか資金が底をつきそうだから更に増資に応じるとか言ってましたよ」
「いくら?」
「5000万」
「じゃあまたその分だけ会社の寿命が延びるってことか」
「まぁ5000万なんてあの会社ならあっという間になくなると思いますけど」
「そうだろうな。今まで1年で1億使ってきたんだろ?」
「はい、たぶん実際はそれ以上だと思います」
「ワタルは1億円って大金だと思うか?」
「そりゃそうでしょ。だって1億ですよ。ボクみたいな生き方してたら使い切るのも大変です」
「だよな。でもその業界じゃ1億なんて大金でも何でもない額なんだよ。あっという間だ。
 オレも昔その社長と同じような環境で同じ経験をしたからよくわかる。
 ましてやVCからの出資で自分のお金じゃないんだから、麻痺する人がいても仕方がないよ」
「はぁ…… なんだかボク、詐欺集団の一員みたいですっごくイヤなんですけど……」
「あははは。VCだってダメもとで投資する部分があるんだから気にしないでいいよ」
「そんなもんですか?」
「そりゃあ1億もの金を簡単にドブに捨てたくはないだろうけどさ。
 でもVCの中には、投資した会社の5社に1社、つまり5分の1くらいの事業が成功して、
 その会社を上場にまで持っていくだけでいいと思ってる所もあるくらいだからな」
「つまりウチの会社で1億スッたとしても、他の会社を上場させてその株を売却したりすれば
 投資額の何倍ものリターンを取り戻せると。
 なんだかベンチャー企業をコマに使ったギャンブルみたいでイヤですね」
「VCみんながそういうワケじゃないけどな。中にはそういうスタイルの所もあるってことさ」
「はぁ…… これからどうしよっかなぁ」
「おっ、辞めるのか? 辞めるなら神戸まで来てまたオレの仕事を手伝ってよ」
「神戸かぁ。それもいいな…… でも、Aさんの力になんてなれないと思うから遠慮しときます」
「そう言うと思った。まぁオレもいつまで神戸で仕事するかわからないけど」
「会社の将来がないと分かった今、あるのは辞めたい気持ちと、倒産するまで見届けたい気持ち、
 この2つです。会社の何かを変えてやろうなんて気持ちは全くないんですよね。
 昔なら前の職場みたいに上司に啖呵を切ったりして暴れてたかもしれませんけど、
 今の環境じゃそんなパフォーマンスをやっても全く意味ないですし」
「そうだな。その状況で不満や愚痴を大声で叫ぶのはただの自己満足にしかならない。
 それを言っていいのはダメな現状を改善することができる力のある奴だけだ」
「ですよね。だからボク、今はすんごく大人しくていい子なんですよ。
 毎日じっと職場の中の様子を観察してるんです。どんどん変わっていく社内の雰囲気を」
「なんだ、それなら選択肢は決まってるな。
 ワタル、倒産するまで絶対に辞めちゃダメだ。会社の終わりをちゃんと見届けろ。
 その会社の社長には悪いけど、そんな貴重な経験は滅多にできるもんじゃない」
「ですよね。ボクもそう思いますので最後まで頑張ります。仕事は頑張りませんけど」
「どっちだよ(笑)」
 
 
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こうして、その日を境に会社が破綻するまで在籍しようと心に決めました。
そして予想通り、今月その会社は終焉を迎えました。
ボクが入社してからちょうど1年、ピッタリ365日目のギブアップ宣言でした。
涙ぐむ社員もいる中、ボクだけが不思議な安堵感に包まれて微笑んでいたように思います。
「やっと終わったか……」
こんな感じで、まるでRPGをクリアしたような達成感。(不謹慎でどーもすいません)
 
今まで楽しい時間を与えてくれて本当にありがとうございました。
そして、お疲れさまでした。
 
 



 
ってことで、
ボクはこれから久しぶりにいつもの状態に戻ります。
ワタルさんのデフォルトステータスにリカバリーです。


え? それは何かって?


もちろん……



 
ちなみにここまで読んできて
「あれ? そんなことより松下さん(仮名)との関係はどうなったのよ!?」
とか言って騒いでる奴は素人。
 
あのね、道端で偶然ハンカテーフを拾ったくらいで
キレイなおねいさんとイイ関係になんてなれるワケないでしょバカ!(逆ギレ)


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