2005/5/1

ゴールデンなんとか
 

みなさんこんちくわ。
コラム界のヤムチャさま、ワタルです。
 
きのう居酒屋へ行ったら店員の女の子に
「お飲み物は?」
と訊かれたので、軽くとんちを効かせて
「じゃあ、ドリンクバーをひとつ」
なんて笑顔でさりげなく言い放ってみたら
「……(チッ)」
と思いっきり舌打ちされて、ボクを無視してどこかへ行ってしまわれました。
 
あざーっす!
これが噂の必殺技・対面舌打ちブレイクスルー接客ですか。
実際にこの破壊力を身を持って体験したのは初めてでしたので大変勉強になりました。
今後のサービス改善・向上の参考とさせていただきますので
これからもご指導、ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。(涙が止まりません)
 
 
えー、世間ではゴールデンウィークだわーいわーいやったー
などと言って喜んでるみたいですが、このボクには関係ありません。
毎年言ってるのでもうお解かりだと思いますが、そういうシステムなんです。
で、きのう友達からもこう言われました。
「ワタルは1年中ゴールデンウィークだからな」
って。
 
でもちょっと待ってください。
1年中がゴールデンウィークて。
ちょっとおかしくね?
1年中がゴールデンウィークなら、それをまとめて「ゴールデンイヤー」でよくね?
そっちの方がスッキリするし。
 
……ん?
いや待てよ。

ゴールデンイヤーもずっと続く予定なんだから
それもまとめて「ゴールデンライフ」でいいんぢゃね?
うわ、カッコイイよこれ。
オレってば天才?
ひょっとして無職推進派の急先鋒?
わはは、よせやい、照れるぢゃねーか!(うつむいて目を隠しながら)
 
 
ゴールデンライフ…… 
この言葉の響きは、まさにステチな人生の完成形。
神が創りし感動の叙事詩。
ここまで力強く優雅できらびやかでありながら
これほどまでにファンタジー溢れる名前が未だかつてありましたでしょうか?
いや、ない!(ガッツポーズ)
 
 
……え? あった?
うそ? 
マジで?
 
Googleで検索したらヒットしたって?
オレと同じようなこと言ってるプータロがいた?
あ、そう…… 
そっかぁ……
  
えーっと、ぢゃあ、「東北楽天ゴールデンライフ」ってのはどうよ?
検索しても出てこないよね?
ないよね?
でしょ? でしょ!
やったー!
ぢゃあオレは今から東北楽天ゴールデンライフな!
マネすんなよ!
わーいやたー!(人生最下位)

           

 2005/5/14

ローファー男
 

 
大好きなディスカバリー・チャンネルを見ていたら
動物特集で「ナマケモノ」が出てきました。
ずっと木の上でノロノロとマイペースに生活している彼らは
まるで今の自分を見ているようで、なぜか不思議な親近感を覚えてしまいました。 
まぁボクも人間社会では実際にナマケモノの代表選手としてぬくぬく育っているので
そう思うのも当たり前と言っちゃ当たり前なんですけどね。
 
で、その番組に出てた動物学者さんの話によると、なんと
ナマケモノは1週間に1回しかトイレに行かない(木から下りない)らしいのです。
 
マヂっすか!? 
1週間に1回て。
膀胱炎にならないのかしら。
つーか、どんだけビッグな膀胱をデフォルトで装備してんねん。
 
ちなみにボクは上京したての頃
1ヶ月間マンションの部屋から一歩も外に出なかった経験があります。(勝った!)
ええ、食料がなくなるまでずっと引きこもってました。
今風に言うなら「セルフ監禁」とでも申しましょうか。
毎日映画を観たり、読書をしたり、腕立て・腹筋・背筋・スクワットをしたり
それはそれはとても充実した日々を過ごしておりました。
どうもありがとうございます。
しかもほとんど食べてなかったため、その1ヶ月で10キロくらい体重が減って
腰痛になって便秘になってさらに顔色がとんでもなく悪くなり
「これは危険がピンチでデンジャラスだ。このままでは死ぬんぢゃねーのか?」
というプロファイリング結果が公表されたので、とりあえずやめることにました。
 
今ではなるべく1週間に1回は外に出るようにしています。(もっと出ろよ)
 
 
で、さらに番組を見続けてたら
動物学者さんはこんなことを言い始めました。
 
「ナマケモノは地上を200m歩くのに1週間かかるんです」
 
マヂっすか!?
200mを1週間て。どんだけスローモーやねん。
もしオリンピックの200m走に出場したら閉会式の邪魔になるわ。
つーか、走ってねーし。 
 
いやぁ、さすがにこれはマネできません。
完敗ですよ。
本場のナマケモノは恐るべしポテンシャルの持ち主です。 
 
仮にこのスピードをマネするなら、例えばポテトサラダを作ってて
「あー、マヨネーズがなくなったから近所のコンビニ行って買ってこようっと」
なんて言って出かけたら、帰ってくるのは2週間後なワケですよ。
もうポテイトーは腐ってますよ。
アメリケのコンビニまで行ってたのかよ、って話ですよ。
マヨネーズ・ジャーニーですよ。
 
つーか、よく考えたらどこにも行けなくね? 
 
だって、友達から電話が来て
「今、渋谷で飲んでるからワタルも来いよー」
って誘われてわーいわーい合コンだーなんつって出かけても
その店に着くまでに2ヶ月くらいかかっちゃうので
もう誰もいなくなってるからまた2ヶ月かけて部屋に帰ってくるんだけど
そうすると出発から4ヶ月も経ってることになるから
家賃滞納で不動産屋さんから部屋を追い出されてて
とっくに携帯の電池も切れてるから誰とも連絡とれなくて
突然消息不明になったので親から捜索願いとかも出されてて
行く所もないのでとりあえず外を歩いてたら近所の子供たちに
「なんだよこいつ、超ノロノロぢゃん。やっつけようぜ!」
なんて言われてボコボコにいじめられて反撃できずに泣きながら我慢してたら
「やめろ! ワタルさんをいじめるな!」
と突然どこからか正義の味方っぽいお兄さんが助けに来てくれたので
「どうもありがとうございます。お礼に龍宮城へお連れしましょう」
って言ってそのお兄さんを無理矢理おんぶして海を目指して歩いてたんだけど
ボクのスローモーな動きによって海に到着するころには
2人ともおじいちゃんになっていたという心温まるステチなお話。(映画化決定)

           

 2005/5/16

臨時ニュースです
 

 

「 えー、突然ですが、痔になりました 」

 
			  
冒頭から飛び出したこの赤裸々な告白に
戸惑いを隠せないチビッコたちもいるとは思いますが
これは紛れもない事実なので仕方ありません。
ええ、これは間違いなく痔ね、自信あるわ。(髪をかき上げながら)
 
  
1週間ほど前から
「んー、なんだかオケツが痛いなぁ」
なんて思ってたんですけど
昨日いつも通りに朝の快便を試みようとしたら突然
今までに経験したこともない激痛が下半身を襲ってきたんですよ。
 
 
 
       
       
       
       
       
 
 

		  
       
       
       
       
       
 

 
もうね、叫びましたよ、トイレで。
朝から大絶叫ですよ。
超人ジェロニモのアパッチの雄叫びにも負けないくらいイイ声が出てましたよ。
つーか、すんげー痛いのな、マヂで。
 
で、瞬時に「これが噂の痔なのね」と判断し
鏡の前で自己診察してみると(その姿は想像すんなよ)
どうやらイボ痔らしいことが発覚。
 
 
       
       
       
       
       
  

 
       
       
       
       
       
 
 
「これ以上悪化すると死ぬかもしれないわね」
このような恐怖の念に駆られると同時に
自然と頭によぎるCMで流れるこのメロディー。
 
「♪痔には、ボラギノール」
  
そうだ、痔にはボラギノールなのだ。
ボラギノールを買いに行こう!(ガッツポーズ)
 
 
さっそくその薬について調べるためネットで検索してみると
その名の通り「ボラギノール・ドットコム」という素敵サイトが存在してました。
えーっと、どれどれ。
クリック、クリック。	
 
するとオープニングFlashで“かまいたちの夜に出てきそうな女の影”が
「あなただけぢゃないから!」
と、威圧感あふれるセリフで歓迎してくれました。
あざーっす!
でも余計なお世話ですから。ほっといてください。
 
商品案内のページを見ると
この商品にはどうやら全部で6種類のボラギノールたちがいるようです。
つーか、飲むボラギノールまであるんすか。
これは大発見。
 
で、どれが一番いいのかなー、なんて言いながら
いろんなサイトをパトロールして痔に悩む人を見つけ出し
その人たちの意見を参考にして導き出した結果
「ボラギノールA軟膏がいいんぢゃね?」
ってことになり、さっそく服を着替えて近所のマツキヨへと向かいました。
 
 
店に着くと、中年のおっさんとカワイイおねーさんの2人が働いてたので
ボクは迷わずワカイイおねーさんに正面から歩み寄り
 
 
 
 

と、まるで百戦錬磨の痔のエリート戦士よろしく言い放ちました。
相手の目を見てハッキリと、滑舌よく丁寧に、カッチョよくスマートに。
自分で言うのも何ですが、この時のボクは最高に輝いてたと思います。(惚れてください)
 
 
こうして無事にボラギっちを購入して帰宅したボクは
シャワーを浴びて身体を清潔にしてから
さっそく患部にその癒し系アイテムを塗ることに成功。
 
 
そしてその後
いつものように部屋で映画などを見ながら
ダラダラと一日を過ごしました。
 
 
んで、今日の朝。
目が覚めたのでベッドから起き出し
両腕を伸ばして「んんーっ」と背伸びをしてから軽く屈伸をしてみます。
 
 
すると……
	
 
 
 
 
 
 

 
 


 

 

			   
いやぁ、ビックリましたよ、ボラギノールのヒーリング能力には。
まさかここまで効果絶大とは。
日本の医薬品はスゴイ。恐れ入りました。
ボクにとってこれはラストエリクサー並の貢献度ですよ。
今ならボラギノールをおかずにしてごはんを3杯食べられる。それくらいの勢いです。
これからは勇者ボラギノーラーとして世間を啓蒙しながら生きていこうと思います。	
	
	 
いやぁ、でもホントによかった。
めでたしめでたし。
 
これで1週間の苦痛からやっと開放されましたよ。
今週は何かいいことアルカポネ。(シブ知 5,8)
 
 
なんて言ってアホみたいにわーわー喜びながら
パソコンを立ち上げて自分のポートフォリオを確認したら
先週の月曜日に買ったK社の株価が
1週間でドカンと10万円も値下がりしてました。
 
 
 

 

 
 見てよこれ。
 どうよ? このジェットコースターロマンス。
 あははははははははははははh
 
 
 
        
        
        
        
        
 
  

 臨時ニュース <終>
 





         

 2005/5/21

嗚呼リーマン時代1
 

 

2002年の5月。
自分の誕生日に会社を辞めるという「代々伝承されてきた門外不出の奥義」を
華々しく披露してからめでたく3年が経ちました。
 
で、あの頃は確か
「スナフキンになってタージマハール(ダーマの神殿)に行っちゃうもんねー」
とかワケわかんないことを言って喜んでましたが
結局日本列島をフラフラしたあげく
なぜかプータロのまま東京に住み付くことになりましたこんにちわ。
 
 
というワケで今回は
サラリーマン時代の思い出話・第1弾でも書いてみようと思います。
 
働いてた職場の人がまだこのサイトを見てるのは分かってますけど
それを承知でいろんなことをプチ暴露しちゃいます。
いいよね?
もう3年も経ってるから、変なこと書いても怒んないよね?(木陰に隠れながら)
 
 
>>>
 
 
まずはコネ入社の裏話から。
 
実はボク、もともとSEを目指してずっと勉強してたんです。
国家資格などを取ったりしながら自分では絶対その道に進むものだと考えてました。
就職活動もそっち系の会社ばかりを中心に攻めてました。
 
ところがある日、突然
「なんだか広告の仕事って面白そうだなー」
って思っちゃったんです。
理由は自分でもよく解りませんが、急に頭に浮かんできたんです。
 
で、たまたまその頃、出身高校のラグビー部の練習に顔を出してグランドを走ってたら
OBで大先輩のAさんが偶然やって来て、一緒にお昼を食べに行くことになりました。
 
「ところでワタル、お前、就職は決まったのか?」
「いや、それがまだなんですよ」
「どうするんだ? 就職活動とかしてるのか?」
「はい、一応してるんですけど……」
「決まらないのか?」
「いや、決まらないっていうか、路線変更しようかと思いまして……」
「他にやりたいことでもできたのか?」
「ええ、まぁ、そんなとこです」
「なんだよ、教えろよ」
「ええ、実は、広告の仕事とか面白そうだなー、って思いまして」
「広告!? お前マジで言ってんのか!?」
「……え? ダメなんすか?」
「いや、ダメじゃなくてよ……」
「どうしたんすか?」
「……お前、オレの職場知ってるよな?」
「はい、○○○○○○ですよね?」
「ああ、そうだよ。 ……で、実はオレ、そこで広報担当してるんだよ」
「広報担当?」
「だからお前が本気で広告の仕事がしたいなら、オレが代理店紹介してやろうか?」
「マヂっすか!?」
「まぁ求人の募集があればの話だけどな」
「マヂっすか!?」
「だから、そんなに期待すんなよ……」 
「あなたに会えてよかったねきっとワタシー!」(手を握りながら)
  
とまぁ、偶然こんな話の流れになったんです。
ホントに運がいいとしか言いようがないくらい。
で、さらに1週間後、そのAさんから電話が来まして
 
「ワタル、お前、ツイてるな」
「どうしたんすか?」
「ウチと取引がある○○○○って広告代理店が、新入社員募集してるんだってよ」
「マヂっすか!?」
「おう。 で、お前の話をしたら面接してくれるってさ」
「マヂっすか!?」
「でも、来週新聞にも求人広告を出すみたいだから、そいつらと競合になるぞ」
「それでもいいですよ! 面接してくれるだけで!」
「一応お前のことをよろしくって言っておいたから」
「どうもありがとうございます!」
「まぁ、あとは自力で頑張れや」
「押忍!」
 
こんな感じでトントン拍子に面接をすることになりました。
不思議なくらい順調です。
今までの就職活動で最終面接まで漕ぎ着けた苦労と比較したら
アホみたいにスムーズ過ぎて怖いくらいです。
 
で、その後、会社へ赴き、社長と営業部長と3人で面接。
体育会系のノリを前面に押し出し、無事終了。
合否の返事は後日、自宅へ電話連絡、とのことです。
 
しかし、世の中そんなに甘くはありません。
 
新聞の求人広告を見てたくさんの学生が名乗りを挙げたのはもちろんのこと
さらにAさんからの裏情報によると、なんとその人たちに加えて
その会社の社長の知り合い(遠い親戚?)とかいう輩が突然現れたらしいのです。
マヂっすか?
 
これではもうどうすることもできません。
だって社長のコネですよ。
それって最強ぢゃね?
勝てるワケねーぢゃん。
ちなみにAさんが便宜を図ってくれたコネの交渉相手は部長さんでした。
 
ってことで、
「そんなにうまく行くワケないもんなぁ…… やっぱ自力でなんとかしよう」
と思って、またいろいろ行動し始めようとしたその時
自宅の電話が鳴りました。
それは面接を受けた会社の社長からでした。
 
「もしもしワタルくん? こないだの面接の結果ですけどね」
「あ、はい……」
「君を採用することに決まりましたので」
「マヂっすか!?」(←思わずホントにこう言ってしまった)
 
驚きの合格通知。
社長のコネを持つ最強のライバルを跳ね退け、なぜか合格。
ワケがわかりません。
 
ボクはこの不思議を解明すべく、さっそくAさんに電話。
そして会いに行ったら、この採用に関わる裏話を話してくれました。
なんとAさんは、ボクが面接を受けたその会社の部長に、こう言い放ったそうです。
 
「オレの後輩ひとり世話できないようなら、今後おたくとの取引は考えさせてもらうよ」
 
出ました。
広告業界の必殺技・バーター取引風な交渉。
ボクを入社させるなら仕事を出し続け、ダメなら他の代理店に変えちゃうよ大作戦。
まるで「ウチの会社の車を買ってくれたら、おたくにテレビCM任せるよ」みたいな。
 
ぶっちゃけお世話になった我が先輩とは言え
「なにもそこまでやらなくても……」
と思いましたよ。
「そこまでしたら逆にオレが気まずくなるぢゃん……」
と思いましたよ。ええ。ボクも人間ですから。
でもすぐに
「入社できりゃなんでもいいや! わーいわーい!」
と思い直して無邪気に喜んでましたけど。(←これが現実)
 
まぁこのやり取りはAさんがボクに言ったことなので
ホントかどうかはわかりませんけど(見栄を張って脚色したのかもしれないけど)
大体こんな感じだったそうです。
Aさん、ヤクザな対応どうもありがとうございました。
あんた、カッチョよろしすぎですぜ。
 
 
しかーし、ボクのコネ入社物語は、まだこれだけで終わりません。
入社後、とんでもないことが起こってしまったのです。
そう、それはまるでドラマのような出来事が……
 
 
でも、それはまた、別の、お話。(語り:森本レオ)




            

 2005/5/25

嗚呼リーマン時代2
 

 
 
ラグビー部の大先輩Aさんのフレンチコネクションっぽい裏取引によって
見事、某広告代理店に裏口入社することに成功したダメ人間ワタルさんは
希望通り営業部へと配属されました。
 
そして、営業部で仕事をして2年くらい経ったある日。
 
ボクは、全国高校ラグビー(花園)の県予選大会の決勝をテレビ放映する際の
番組スポンサーを探して県内を営業で回ってました。
県内のラグビー関係者がいる企業や、興味を持ってくれそうな企業のリストを作って
朝から晩まで1件ずつ歩き回っていた時のことです。
 
昔ラグビーをやっていたというオヤジさんが経営する某お好み焼き屋さんで
スポンサーになってくれそうな企業の聞き込みでもしようかなと思い
夕方4時頃、そのお店へ足を運んだんですけど
そしたら、なんと!
そのオヤジさんがボクに夕刊を差し出しながら、とんでもないことを言い出したんです。
 
「あ、そうそう。今日の夕刊、見たか?」
「いえ、見てませんけど」
「凄い記事が載ってるぞ」
「へー、どんな記事っすか?」
「お前のラグビー部の先輩の名前が出てるよ」
「マヂっすか? 何かの賞でも獲ったのかな」
「いや。警察に捕まったんだ」
「マヂっすか!?」
 
ここでボクは、その夕刊に凄い勢いで目を通します。
 

 

 
 

「 どこ?? どこに載ってるの!? 」



「 どこ見てんだよ。ほら、そこだよ 」



!!!!!

 


  
そう言ってオヤジさんが指差した記事の場所には
『 新潟市の会社員●●●●、傷害容疑で逮捕 』
の文字が、思いっきり本名で載ってました。
ええ、それは間違いなくボクがいた高校のラグビー部の先輩の名前でした。
 
記事を読むと、どうやら昨夜、酒をしこたま飲んで、タクシーで帰る際
酔っ払ってタクシーの運転手を思いっきりぶん殴っちゃったらしいのです。
ラグビーで鍛え上げた渾身のパワーで。
 
あーあ、やっちゃった……
 
昔から酒癖が悪いのは知ってましたけど、まさか人様をぶん殴ってしまうとは……
しかもおまわりさんに逮捕されちゃうなんて……
ちなみにこの人、酔っ払うと女癖もすんげぇ悪いエロオヤジです。(マメ知識)
 
 
しかし、驚くのはそれだけではありません。
 
 
逮捕されたその先輩。
 
その人は……
 
 
 
 
 

「 その人は、なんと!
 
  ボクをコネで就職させてくれた、あのAさんだったのです! 」



「 な、なんだってー!! 」



「 アチャー 」



「 マヂかよ 」
「 マヂかよ 」



「 これはもうダメかもわからんね 」

「 だな 」



 

自分の就職を親身になって世話してくれたAさんが突然の逮捕。
そして皮肉にも、マスコミ関係の仕事に就いてから
その事をマスメディアの報道で知ってしまうという現実。
これには能天気なボクでもさすがに茫然自失。
全く言葉が出ませんでした。
 
 
頭を抱えながら数分間の沈黙の後
とりあえず急いで会社に帰らなきゃ、と思い、車を走らせました。 
 
 
職場に戻るとボクはすぐに夕刊を手に取り
部長が座ってるデスクへ一直線。
そして問題の記事を指差し
 
「部長、この記事、ご覧になりましたか?」
「ん? なんだそれ?」
 
記事を読んで絶句する部長。
 
「おいおい! ウソだろ!?」
「ボクもウソならいいと思ってるんですけど……」
「そう言えば今日○○○○(Aさんの会社)へ行ったけどいなかったな」
「じゃあ、やっぱり……」
 
ここで部長は、すかさずAさんの会社へ電話。
Aさんを呼び出しますが、やはり会社には居ませんでした。
しかし電話口にAさんの上司に出てもらうことに成功したので
新聞で読んだことを告げ、その人から真相を聞き出します。 
 
新聞記事に間違いはありませんでした。
なぜならAさんは電話をしたその時、警察の留置所に入っていたのですから。
ボクと部長は顔を見合わせて溜め息をつきます。
 
「部長…… Aさんは、クビですかね?」
「かもな。ここまで騒ぎになったら、もうヤバイだろうな」
「ですよね……」
 
 
と、ここで突然ボクの頭の中に、ある仮説が頭をよぎります。
 
Aさんがクビになっちゃう
Aさんの会社の広報担当者が替わる
新しい担当者は他の広告代理店と仲良し
ウチの会社の仕事がなくなる
オレがこの会社にいる意味がない(前回のコラム参照)
ってことは、オレもクビになるんぢゃね?
 

ぉぃぉぃ、ヤバイよこれ。
考えすぎかもしれないけど、この業界なら充分に可能性あるよ。
 
やっと仕事が楽しくなってきたというのに
Aさんが発動させた負の連鎖スイッチのお陰で大変なことになってきました。
(ちなみにこの当時ボクは「一生この仕事を続けるもんね」と本気で思ってました)
 
このままでは社長から
「お前、もう来なくていいよ!」
と、ガチンコラーメン道に出てた佐野さんみたいに解雇通告されるのも時間の問題です。
 
 
がーん……
ど、どうしよう……
転職先を探さなきゃダメなのかな……
 
 
そう思って落ち込んでた、そのとき
物語は意外な展開を見せ始めたのです。
 
 
なんと!
Aさんが必殺アンパンチでぶん殴ったタクシーの運転手さんは
偶然にもAさんが勤めてる職場の上司(凄く偉い人)のお知り合いだったことが発覚。
そのためAさんは、その人による起死回生の逆転和解交渉によって
「訴訟を起こされないで済む」&「クビにならないでもOK」という
奇跡的な復活を遂げてしまったのです。
  
これはもの凄い強運。
不幸中の幸いとはまさにこの事。
ドラクエなら運のよさが5000ぐらいあってもおかしくありません。
なんだかよくわかんないけど、とりあえず安心しました。
 
 
ってことで、Aさんはクビにはならないで済みましたが
案の定、見事に左遷させられちゃいました。
思いっきり田舎の支店に飛ばされ、役職も格下げ、給料は激減です。
もちろん広報担当も他の人へとバトンタッチして
それにより予想通りウチの会社の売上げも激減。
でもなんとか取引だけは継続してもらっていたので
ボクのクビの皮もなんとかギリギリつながりました。
あーよかった。
  
 
その後ボクは、Aさんのことがすげぇ心配になったので
仕事をサボって高速道路を飛ばして一度だけAさんの職場まで会いに行きました。
元気にしてるかなー、っと思って。
まさか鬱とか情緒不安定になってなければいいけど……
 
 
で、実際に会ったんですけど
もう、なんつーか、言葉にするのもイヤなくらい元気なんですよ。
元気過ぎるんですよ。
むしろ逮捕される前よりイキイキしてるんぢゃね?っていうくらい元気。
「おうワタル! よく遊びに来たな! ゆっくりしてけ! ガハハハ!」
みたいな。
まるで普通に転勤してきましたよー、っていう感じ。(もっと反省しろよ)
  
 
それを見てボクは思いました。
「このおっさん、スゲェな」
って。
ホント尊敬しちゃいましたもん。あの強さに。
あの神経の図太さに。
この人が先輩でよかったな、と、心からそう思いました。
 
 
心配して損したけど。(高速料金返してくれ)






 



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