びよクエ2
伝説の美容師を探すことになった勇者オレのところに一本の電話がかかってきた。
ソファーで横になりながらTBSのジャストをテレビ画面に映し、
テーブルには最近発見してきたばかりのポテトチップス「抹茶塩」と「桜塩」の2袋を
パーティー開けにして味の違いをボリボリ食べ比べていたオレは、
親指と人差し指についた塩を舐める作戦によってキレイな状態へと戻し
1ヶ月ぶりに鳴り響くそのコミュニケーションツールを手に取り
通話口に「もしもし」と言う名の応答信号を眠たそうな声で発した。
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「 ……もしもし 」 |
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「 もしもし、ワタルくんかね?
私だよ、久しぶりだね 」 |
その声は年上のエリート合コン司令官、A氏だった。
彼からの電話は十中八九と言っていいほど飲み会の誘いと決まっている。
しかもその会場は常にオサレで高そうな店ばかりなので
「行きたいんだけど今回は行けないカモ……」
と言う非常にもどかしい衝動に駆られること請け合い。
オレは財布の中に今いくら残っているのかを咄嗟に思い浮かべながら言葉を返した。
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「 あ、どうも、おつかれさまっす 」 |
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「 今、なにしてるんだ?」 |
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「 部屋でジャスト見ながらポテチ食ってます 」 |
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「 フッ…… 相変わらずだな。
でもそのダメ人間っぷりが君らしくていい 」 |
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「 ………… 」 |
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「 ところで、飲み会があるんだが、来ないか?
今回はいろんなヤツが集まるから
結構面白いと思うぞ 」 |
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「 いろんなヤツって、美容師さんとかも来ますか? 」 |
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「 美容師?
さぁ……どうかな……
でもなんで美容師なんだ?」 |
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「 実はオレ、伝説の美容師を探してまして。
その人と友達にならないと
大変なことになるんすよ 」 |
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「 ……相変わらず意味不明だな 」 |
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「 ありがとうございます 」 |
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「 でも、美容師は来ないかもしれないけど
もっとすごい人が来るぞ 」 |
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「 すごい人って言われても
美容師さんがいなくちゃネタにならないんすよ 」 |
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「 なんと、元ミス日本のおねえさんがk |
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「 行きます! 」 (即答) |
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とゆぅワケで、誘われた飲み会に行ってきました。
場所は都内某所。
でも勘違いしないでください。
ボクは決して元ミス日本とかそーゆぅモノに反応したのではなく、
「元ミス日本の女性が今は美容師さんになっている可能性が高いのでは?」
と瞬時に判断し、それをクエストするために参加を表明したのであります。
やっぱボクだって先月のコラムで伝説の美容師を探して友達になるんだと宣言した手前、
やるからにはそのミッションをコンプリートしたいワケぢゃん?
任務に忠実な勇者になりたいワケぢゃん?
そしてそれについての詳らかな報告をネタとしてココで報告したいワケぢゃん?
わかるよね? これでOK?
……え?
そんなのウソだって?
もっと正直な理由を教えろって?
ああそうだよ! 元ミス日本を見に行ったんだよ!
だからどうなんだよ! わりぃのかよ! ふはははは!
やーいやーい! ばーかばーか!
(伊賀忍法・大義名分を作りながら逆ギレの術)
でもね、現実はそんな甘いもんぢゃないワケです。
ホント、思わず「これは罠か?」と思いましたからね。
とゆぅより「またかよ」と思いましたね。ええ。
まぁいつもココを読まれてる人なら既にお気付きかもしれませんが
またしても「無職人間弾圧集会」のイベントが発生したワケです。
ボクにとっちゃ予想通りのお約束ネタなんですけど。(いつもすんません)
もうね、その様子を詳しく描写するのもワンパターンになっちゃいそうだから
今回はその時の状況を1枚のイメージ写真で表しちゃいますよ。
こんなカンヂ。

ねぇねぇ、ボクも仲間に入れてくださいよ。
名刺交換しましょうよ。(持ってないけど)
飲み会の最初に行われた自己紹介で
「ボクの仕事は自分への家事手伝いで、現在は花婿修行中です☆」
って言った瞬間から目をそらすのはやめてくださいよ。
みんな、そこは笑うところなんだよ。(数人に苦笑されましたが)
つーか、集まったメンバー全員がブルジョアジー&セレブリティー。
20億円を操るヤリ手ファイナンシャルプランナーとか
ボクがサラリーマン時代に何度も痛い目に遭わされた電通社員とか
テレビ局の社員とか、アナウンサーとか
大手出版社のライターとかエディターとか、総勢14名。
その内プータロの汚い男が1名。(オレ)
えーっと、

居場所がないんですけど!
すっごく居心地が悪いんですけど!
もう元ミス日本とかどーでもいいんですけど!
なんつーか、
ちびっ子たちにもわかり易いようにもうすぐPS2で発売されるドラクエVで例えますと、
宝箱に誘われて危険を冒しながらその場所へ行ってみたら実はそれはミミックで、
しかもそこでギガンテスの大群にボコボコにされて、
さらにビアンカとフローラの両方にフラれたあげく
子供の頃から可愛がって育ててきたゲレゲレにも噛みつかれた。
そんなカンヂですよ。
でもね、
せっかくいろんな人とお知り合いになれるチャンスなワケですから
なんだかよくわかりませんけど一人で酒飲みまくって暴れてました。
なんてったってボクには失うものなんて何もありませんからね。
そりゃたまには暴走もしたくなるってもんですよ。
気分はリミッターを解除した原付自転車でフルスロットルですよ。(すっごい控えめ)
ブンブンブブブン。
こうなったら獲物を決めてこっちから個人戦を挑むしかありません。
とゆぅワケで、最初にターゲットにした人は
前述したように過去何度も痛い目に遭わされていた電通エリート社員。
ボクが過去7年間でたった2回しか企画コンペで勝てなかった
日本最大の広告代理店の営業マンです。
とりあえずコヤツに話しかけて勝負してみることにしました。
これはまさに「エスパー伊東 vs ボブ・サップ」のようなゴールデンカード。
想像しただけでワクワクしちゃいますね。
ボクは生きて帰って来れるのでしょうか?
さぁ、運命のゴングが今、店内に鳴り響きます!
「カーン!」
先手必勝。
今までの苦労を、そして今までの努力を、この狼牙風風拳に込めてみせる!
おりゃー!
ところがどっこいしょ。
なんだかよくわかりませんが、その電通のおっさん、すっごくいい人でして。
話のわかるめちゃめちゃ面白い人でして。
なんだか電通の人っぽくなくて、こんなボクとでも気が合う珍しい人でして。
で、気が付いたらすんげー仲良しになってしまいまして。
「なぁワタルくん、この後一緒に飲みに行かないか?」
「いいっすね! 行きましょ行きましょ! で、どこ行きます?」
「キャバクラ行こうぜ、キャバクラ」
「……キャ、キャバクラっすか!?」
「ああ。ダメなのか?」
「ダメってゆーか、その、そんなにお金持ってないんすよね……はははは……」
「なんだよ、金なんてオレに任せとけよ」
「行きましょう!」(即答)
もう伝説の美容師とかどーでもいい。
電通の経費サイコー!
飲食代の領収書サイコー!
※これが生まれてはじめて電通に感謝した瞬間です。
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